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サッカーをこよなく愛する人、特にレアルマドリードを愛する人を笑顔にさせることを目的に書いているブログです(^^)レアルマドリードの試合を中心に、個人的な意見や独自の角度からの分析をしていきたいと思っております。サッカーを通じて、色々な方と繋がり、自分自身の成長に繋がればいいなと思っております。

『中盤を支配すれば、試合を制す。』~チャンピオンズリーグ Round16 2leg/レアルマドリードvsパリ・サンジェルマン~《後半》

後半65分、パリに悲劇が起こる。

ヴェッラッティの退場だ。


前半途中から高い位置でラビオと共に
レアルの守備を崩し、前半終了間際には
何度もチャンスの起点となり
ゴールに絡んでいた。


守備でもレアルの左サイドで
思うようなプレーをさせず、前半無失点で
押さえた。



レアルマドリードという強敵ゆえに
この退場は試合の展開を大きく変える
ものとなったのだ。



ミスを見逃さずに、ワンチャンスで仕留めるレアルマドリード


51分に、先制点が生まれます。


ダニエル・アウベスが出し所がない中
ボールを持って、ゆっくりドリブル
している所をアセンシオがプレスをかけ
ボールを奪います。


アセンシオがそのまま
ドリブルでアタッキングサードまで
ボールを運びます。


フリーのルカス・バスケス
ボールを出し、クロスを上げ、
ロナウドが得点を上げます。


試合の流れを変える先制点を取った
この得点が決まった要因は
2つあります。

①ルカス・バスケスのフリーラン


局面でのパリの守備のひとつの連携ミスが
得点に繋がってしまいました。


アセンシオがボールを持った状態のとき
アセンシオとベンゼマのところには
一対一でマークをつけているのですが
問題はルカス・バスケスの前線への
飛び出しに誰もついていけていません。



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(図1)


〇図の説明
=マークの方向
…→=ドリブル又は移動の方向
=パスの方向
■の番号=プレーの起こる順番


本来であれば、マルキーニョス
ハーフスペースを埋めて、ルカス・バスケス
とマッチアップしなければなりません。



ルカス・バスケスの後方にいたラビオ
いち早くルカス・バスケス
フリーランに気づいていました。


そしてチアゴ・モッタにマークに行くよう
指示したように見えましたがアセンシオが
左に体を開きながらダニエル・アウベス
股を通したため、ベンゼマに引っ張られ、マークに
行けませんでした。



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(図2)



レアルの連携が素晴らしかったのも
ありますが、リーグ戦では、格下との戦いが
多くこのようなショートカウンター
される機会がなく、実戦での経験が
なかったことが仇となり、最終ラインに
迷いと混乱を生んだゆえの得点でした。




ロナウドの駆け引き


ルカス・バスケスの弱点を見抜く観察眼も
素晴らしかったのですが、ゴール前での
ロナウドの駆け引き
も特筆すべき点です。


アセンシオがルカス・バスケスにパスを
出す前の時点(図2)で、ロナウドは一度
自分のゴール側に戻る動きをしています。


これは相手ディフェンダー
引っ張り出すことと、引き離すことの
両方のメリットがあります。


このシーンでは、後者の引き離すこと
できました。


ロナウドの動きにより、この試合で
右サイドでの対応が良くなかった
ベルチチェが離されました。


そして、中に入ってくるタイミングで
ベルチチェは後発的にロナウドについて
行かざるを得ないため、反応が遅くなり
少しの間合いでフリーになったロナウド
ゴールを許してしまいました。



守備が軽いベルチチェの外の位置に
ポジショニングしたことと、即座に選択した
ゴール前に入る駆け引きは、長年ゴールを
奪い続けてきたゆえに思いついたアイディア
であります。



ヴェッラッティ退場後の展開


65分に1枚カードをもらっていた
ヴェッラッティファールを取って
もらえなかったことに対して抗議し
2枚目のカードをもらいます。


退場後は、五分五分だった試合展開が
完全にレアル側に傾きます。


その要因として中盤での攻防の変化
挙げられます。


まず、退場までのパリの守備と
退場後の守備の変化
を説明したいと
思います。


退場までのパリの守備は
ボールを取られたらすぐに前線の3人が
前線からゲーゲンプレスをかけて
攻撃を遅らせます。


それにより高い位置でプレーする中盤の
戻る時間を稼ぎ、守備の陣形を整えます。



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それゆえに安定した守備を
生み出していました。


それに対して、退場後の守備では
この守備の狙いが一気に崩れます。


前線の3人は、基本的には守備をしない
代わりに前線でプレスをかけて、中盤の
戻りの時間を稼いでいました。


しかし退場後はいくら時間を稼いでも
ディフェンスラインは、4人(最終ライン)+
2人(中盤)の6人であり、中盤は2人のため
特に両サイド、選手間のスペースが
必然的に空く状況が多くなります。



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また、退場前の59分にチアゴ・モッタ
変えてパストーレを入れたことは
攻撃的には得点に繋がるプレーをした
というメリットでしたがヴェッラッティ
守備に貢献していたこともあり
守備的に言えば、デメリットでした。



パストーレの投入は攻撃的な交代であり
投入後も高い位置でのプレー
多かったです。


ネガティブトラジションの際に
前線で遅らせられれば、パストーレ
帰陣できるのですが、前線でボールを
遅らせることができなかった際には
4+1の守備構成になるため、圧倒的不利な
展開になります。




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通常であれば、退場者が出た場合は
誰か一人または二人中盤に降ります。


しかし得点が必要なだけに
エメリ監督はリスクを取り、前線に3人を
残しました。


当然のことながらパリ・サンジェルマン
1人余る守備での数的優位性が崩れたので
レアルにボールを持たれ始めます。


そして守備で幾度となく貢献した
コバチッチが70分でクロースと交代した
こともこのシチュエーションの中での
意味のあることであります。




それがリスクをかけないカウンタースタイル
からポゼッションスタイルへの変更です。


コバチッチからクロースに変えることは
守から攻への交代でもあり、実際に
クロースかカゼミロが攻撃参加することが
多くなります。




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それにより、今度はレアル側に数的優位
状況が生まれます。



その後はレアルペースでボールが
回り、パリ・サンジェルマンの守備の
時間が圧倒的に多くなりました。



83分にラサナ・ディアラを入れて、
[4-3-2]にフォーメーションを変更しましたが
時すでに遅し。



2勝したレアルマドリード
Round8に駒を進めました。


Round16が決まった際には
どちらが勝つのかわからなかったのですが
試合が終って、やはり両チームの経験の
差が顕著に出たという印象が
強かったです。


オイルマネーで有名選手を集め強化しつつも
ネイマールの問題などで内部の組織も
ゴタゴタなパリ・サンジェルマン


チャンピオンズリーグ2連覇や数々の実績を
残したメンバーで今シーズンも臨む
レアルマドリード



逆転を信じて戦ったパリ・サンジェルマン
リスペクトしつつ、レアルマドリード
今後のチャンピオンズリーグでの健闘を
祈りたいと思います。


今日も読んで頂きありがとうございます。

このブログが皆様のお役に立てれば幸いです。

ではまた!