『ジダン監督の大胆采配。勝利の分かれ道は[4-4-2 ]の可変システム』~チャンピオンズリーグ レアルマドリードvsパリ・サンジェルマン~後編
「我々は90分間完璧に勝利に値する試合を示したと思う。今日の勝利はとても重要な勝利だ。良い形で試合をスタートしたね。しかし失点してしまった。けど、この試合はCLだしレアル・マドリードにはあの試合展開の経験がある。試合は90分続き、ホームで良い試合ができた」
チャンピオンズリーグ、パリ・サンジェルマン戦後に
ジダン監督は、こうインタビューに答えた。
いい形で試合をスタートできたとは
ネイマールへの守備と
敵陣内での攻撃的プレッシングのことだろう。
もちろん守備がハマったことは
評価できる点です。
しかしそれ以上に、後半のカゼミロとイスコを
下げた2枚替えのシーンに隠された大胆な
戦術的な交代に私は焦点を当てたいと思います。
②勝負を分けたエメリの迷采配
前回の続きです。
ダニエル・アウベスの攻撃参加により
右サイドの守備の問題が再び浮上します。
右サイドのダニエル・アウベスが攻撃参加した
裏のスペースをレアルマドリードが
カウンターで突く形を、フォーメーションを
変更したにもかかわらず、再び行われました。
また、PSGの右SBのムニエは
ダニエル・アウベスと比べると守備の強度や
ポジショニングが劣るため、裏に抜かれたり
右サイドのスペースに通され一対一で負けるシーンが前半と比べて、多くなりました。
結果的に右サイドの守備に関して言うと
前半より悪い状況が生まれてしまいました。
③後半2枚替えのジダンの真意
PSGが主導権を握り、レアルマドリードが
守備からのカウンターでチャンスを
作るというのが後半の主な流れです。
1-1のままを迎えて
点を取りたいジダンは、まずベイルを投入し
そのあと78分にルカス・バスケスとアセンシオを
投入します。
中盤の守備の要であるカゼミロと
要所要所で輝いていたイスコを
変えたということは、勝負をかけにいくという明確なサインであり、確実にプラン変更が行われます。
まさにその通り、
ルカス・バスケスとアセンシオが入ると
大胆なフォーメーションの変更が
行われました。
それが[2-4-4]の可変システムです。
前線を交代選手で並べ、中盤にSBが入る
超攻撃型フォーメーションです。
前線の人数を増やし、そしてPSGの弱点である
左サイドを起点に数的優位な状況で
攻めることがジダンの目的でした。
しかし、攻撃は良くても前線に人数を
かけているため、守備が脆くなります。
もちろん、ジダンはそこも計算済みでした。
ボールを取られても守備の際には、
そのままゲーゲンプレスをかけ
数的有利な状況で即時回収します。
またはボールを奪えそうになければ
サイドのアセンシオとルカス・バスケスと
両サイドバックが一列下がって
[4-4-2]の守備ブロックを形成します。
攻撃に厚みを出し、前線からの守備も
継続しつつ、サイドの選手が下がれば
[4-4-2]の守備ブロックも形成できるという
機能的なシステムをジダンは選択して
勝負をかけました。
その結果2得点が生まれました。
PSGの最終ラインが
人より中央のスペースを埋めること、また
中央での攻防を制することに重点を
置いていること、そして相手側の右サイドの
中盤にスペースがあることに気づき、
フレッシュな選手にサイドを使わせて
サイドからチャンスを作るというジダンの
決断が項を奏しました。
その後は[4-4-2]のブロックを敷いて
守備を固めてPSGに得点を許さず
試合終了となります。
先制された上で逆転して
[3-1]というスコアは非常に素晴らしい結果を
残しました。
3月6日の2legでは、[0-0]、[1-1]の引き分け
[1-2]の敗戦、[1-0]の勝利もベスト8進出が
できるため、この勝利が非常に有利な状況を
生み出しました。
このままベスト8に進出するのか
それともPSGが大どんでん返しを起こすのか。
「まだ何も決まったわけではない。セカンドレグが残されている。不可能なんてことはないよ」
とバルセロナで去年奇跡を起こした
ネイマールが語るように
今度はPSGで奇跡を起こすのか?
2legの主役はネイマールなのか。
それともロナウドなのか。
今日も読んで頂きありがとうございます。
このブログが皆様のお役に立てれば幸いです。
ではまた!