10分毎のポジショニングの変化から考察する『レアルマドリードの対応力』~リーガ27節/レアルマドリードvsヘタフェ~《前半》
本日は日本時間、3月4日04:45から
行われた、レアルマドリードvsヘタフェの
試合分析をしたいと思います。
レアルマドリードは
前節アディショナルタイムに得点を
入れられ負けてしまいました。
ロナウドを温存した影響で得点力が不足し、
主力選手の相次ぐケガにより、守備の強度も落ち、
失点してしまったという前節でした。
今節は、ロナウドがスタメンに入り
マルセロもケガから復帰して
ベンチ入りを果たした好材料もあります。
また、CLの2legも間近に控えているため
何としてでもいい流れでチャンピオンズ
リーグを迎えたいです。
一方のヘタフェは
何と言っても、持ち前の堅守が光り
直近5試合でわずか1失点と好調を
キープしています。
また、FWのアンヘル・ロドリゲスも
絶好調でカウンターも攻撃のオプションの
1つでもあります。
フォーメーション
現地の予想では、[4-4-2]の予想
でしたが、実際にはジョレンテが
右インサドハーフに入り、左には
イスコが入った[4-3-3]でした。
一方のヘタフェは
現地の予想通り[4-4-2]でした。
前半0分~10分
ヘタフェの[4-4-2]の守備のシステムが
強固であるのと、モドリッチとクロースが
中盤にいないので、中盤でのボール回しが
この時間帯落ち着きません。
ヘタフェの守備戦術は
2トップが前線からプレスをかけ、
レアルマドリードのビルドアップから
プレッシャーをかけることから始まります。
中盤のジョレンテとイスコは
DFラインに降りてきて、ボールを
受けにくる選手ではないので
正確にはビルドアップから苦しくなります。
結局CBからSBへのUの字のパス回しが
多くなり、主導権を握りつつも、上手く
攻めきれない状況に陥ります
前半10分~20分
ヘタフェの守備を中々崩せずに
サイドでの攻撃を強いられた結果
サイドに人数をかけて攻撃する
ようになります。
それにより
ミドルサードの中央のエリアを上手く
使えないことと共に、相手最終ラインでの
中央での脅威もなくなります。
少しでも攻撃の糸口を見つけたい
レアルマドリードはサイドからサイドへの
サイドチェンジが増えます。
DAZNの解説の方もおっしゃってましたが
ヘタフェの左サイドバックのアントネスが
守備の際に、BBCを警戒して中央に絞る
守備をして、サイドのスペースを
空けていたためです。
この僅かな守備の乱れを突き
右サイドからチャンスを作り始めます。
前半20~30分
この時間帯になってもヘタフェの守備を
上手く崩せずにいますが、セットプレーから
レアルマドリードの得点が生まれます。
一つ前のプレーで先ほど説明した
ヘタフェの左サイドのスペースを
サイドチェンジで利用してチャンスを
作った結果、コーナーキックを得ることが
できたのも特筆すべき点です。
攻撃を上手くできない時間帯に
周りを見て、突破口を見つけられる
対応力はさすがのレアルマドリードです。
得点自体はクロスに反応したイスコ、
空中戦の強いロナウド、セルヒオ・ラモスが
ヘタフェのディフェンスを引っ張り、
ベイルがフリーの状況が生まれて、
こぼれ球を押し込んだという形になります。
そして得点直後からヘタフェの
守備の意識が変わり、レアルマドリードが
ボールを上手く回せる状況が生まれます。
追い付きたいヘタフェは、前線のみならず
中盤の4人もプレス、またラインを上げて
前線から守備をし始めます。
一見するといいように思えますが、
実は最終ラインが連動してラインを上げて
いないため、中盤が間延びします。
ロナウドやベイルなどの縦への突破力がある
選手が前線にいるため、最終ラインまで
ラインを上げてしまうと背後を狙われて
しまうので、このような中途半端な守備に
なったのです。
DFラインと中盤が間延びすると
イスコが活きてきます。
イスコはこのエリアでプレーすることを
得意としており、実際にこのエリアでの
イスコのチャンスクリエイトや味方との
コンビネーションで相手を崩すシーンが
増えました。
30~45分(前半終了まで)
前半37分まで、シュート3本と
両者の守備の対応が際立つゲーム展開に
なりましたが、この時間帯には
レアルマドリードのヘタフェへの攻略方法が
明確になります。
まずハーフライン周辺のプレッシャーが強いので
ジョレンテがモドリッチのような役割に徹し
ヘタフェのプレスを上手くかわしていました。
また、それでも攻撃に息詰まる場合は
ヘタフェの間延びを利用し、前線のBBCが
中盤に受けに下がり、そこから前を向いて
チャンスを作るという攻撃パターンを
使っていました。
この時間帯には、ベイルとイスコが意図的に
ポジションチェンジをするシーンも
見受けられました。
イスコは得点直後から得意なスペースで
プレーしてチャンスを作り続けていたので
マークが厳しくなり、思うようなプレーを
徐々にさせてもらえなくなります。
なのでドリブルによる仕掛けや左足から
繰り出される精度の高いロングボール
(サイドチェンジ)で局面を打開できる能力
持っているベイルをこのポジションに入れて
ヘタフェの守備陣を混乱させたのです。
結果、下の図のような選手各々の動き方で
相手を崩し、前半をいい形で終えます。
※・・・→ =ドリブルやフリーラン
→=味方がボールを持った際に
移動する方向
前半をまとめると
上手く攻めきれない状況から、相手の
左サイドのスペースを積極的に活用して、
得点後は、相手のプレスを上手く
剥がしながら、相手のDFと中盤のスペースを
使うことにより、ヘタフェの強固な守備を
攻略しました。
この続き(後半の分析)は
明日アップしたいと思います。
今日も読んで頂きありがとうございます。
このブログが皆様のお役に立てれば幸いです。
ではまた!